is_vector<> の実装例

ある型が std::vector 型であるかどうかを調べたい場合があります。

std::vector<int> 型であるかどうかであれば、<type_traits> に定義されている std::is_same を使うことで、調べることができます。
しかし、要素の型を問わない std::vector<*> 型であるかどうかを直接調べる手段は、<type_traits> にも用意されていません。

専用のテンプレート型を用意することで、ある型が std::vector 型であるかどうかを調べることが可能です。is_vector の実装例を示します。

#include <deque>
#include <iostream>
#include <type_traits>
#include <vector>

// type checker of std::vector
template<typename>
struct is_vector : std::false_type {};
template<typename T, typename ALLOCATOR>
struct is_vector<std::vector<T, ALLOCATOR>> : std::true_type {};

int main(void)
{
    // vはstd::vectorである
    std::vector<int> v;
    std::cout << is_vector<decltype(v)>::value; // => "1"

    // dはstd::vectorではない
    std::deque<int> d;
    std::cout << is_vector<decltype(d)>::value; // => "0"

    return 0;
}

残念ながら、is_vector は std::vector であるかどうかを調べるためだけのクラスです。
std::map であるかどうかを調べるには、別途 is_map のようなクラスを定義する必要があります。